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2001/10/01 民族の名節「チュソク(秋夕)」。
今日は「チュソク(秋夕・ハンガウィということもある)」。韓国を代表する「民族の名節」だ。この日は旧暦の08/15にあたり,日本ではさしずめ「お盆」といったところか。毎年チュソクとその翌日・翌々日は公休日扱いで,会社や学校は休みになる。この日に故郷で「チェサ」と呼ばれる先祖をおまつりする儀式(非常に大事)が行われることもあり,ほとんどの人は故郷に帰ることになる(まさに「お盆」)。当然,帰省ラッシュは起こる。日本の場合,お盆をはさんでだいたい一週間程度の休暇があるのが普通なので,帰省ラッシュやUターンラッシュは分散化が可能だが,チュソクの場合は三日間だけなので,日本よりも帰省ラッシュやUターンラッシュはひどいといってもいいだろう。今年は運良く土日と連結したが,それでも一昨日(土曜日)と昨日(日曜日)の混雑は酷かったようだ。電車の当日切符は当然入手が難しいし(立席が若干残っていたようだが),高速道路は超混雑。日曜日の夜のニュースによれば,京釜高速道路のソウル〜プサンの所要時間が11時間半。そのため,高速バスのダイヤも乱れまくったようだ。テレビも「チュソク特番」がずっと続く。普通の平日なら昼間は放送がないのだが,チュソクの三日間は音楽番組やら映画やら,家族で楽しめそうな番組が盛りだくさんだ。新聞も「チュソクのテレビガイド」は別刷りで入っている(日本でも正月には,「お正月のテレビガイド」ってのが新聞に折り込んであるでしょ)。

韓国のカレンダー。見事に三連休。
おかげで寄宿舎はまるで廃虚のような静けさだ。朝食を食べに食堂に行ったのだが,客はほとんどいなかった。ちなみに朝食に「ソンピョン(チュソクの時に食べるとされているトック(餅)の一種)」が出たが,固くてあまりおいしくなかった。これはたぶん寄宿舎の食堂のソンピョンだからだろう。
トンデムンに行っても,ミョンドンに行っても,店は全部しまっているので,故郷に帰らない人は非常にヒマである。というわけで,朝早くサムソン(三成)にあるコエックスモールという大型ショッピングモールの中にあるシネプレックスに朝から出かける。友人から,やることがない人はみんな映画館にあつまるから,昼に行くとメチャクチャ混んでいるかも,というアドヴァイスを受けていたためである。朝九時に映画館に到着すると,チケット売場にもほとんど人はおらず,快調に三本分のチケットを購入。朝から映画三昧である。僕の場合は朝早くにチケットをまとめて買ったので非常にのんびりと映画を見ることができたが,昼ごろにチケット売場を見てみたら,非常に長い列ができていた。チケットを買うまでに30分以上かかったことだろう。ちなみに見た映画は,「猟奇的な彼女(もう二ヶ月くらい前に公開された映画……やっと見た)」,「春の日は行く(ちょっと難しい恋愛映画)」,「僕の妻は暴力団(コメディー)」の三本。それぞれ映画のオフィシャルサイトにリンクを貼っておきました。
2001/10/02 ふたたび映画館へ。
サンウ(学科の一番親しい友人)はプサン出身なのだが,チュソクはプサンには帰らず,ソウル市内にある親戚の家にいたそうだ。彼も特にやることがないため,今日も朝から一緒に映画を見ることに。前日と同じ午前九時に行ったのだが,人の数が全然違う。混雑ぶりは昨日の昼の状態である。やっとのことでチケットを買い,ポップコーンとコーラを買い(笑),映画を見たのだが……今日観た映画は,本当に面白くなかった。ストーリーはめちゃくちゃだし,何を描きたいのか分からないし,戦いのシーンは長すぎて間延びしてるし……。ちなみに「武士」という映画でした。前売りの売れ行きも結構よかったと新聞では読んだんだけどなぁ……。久しぶりに面白くない映画を見て,ちょっと機嫌が悪い。おなじショッピングモールの中のイタリアンレストランでそこそこおいしいカルボナーラ(韓国的にはかなりまとも,ちゃんとアルデンテだし)を食べて帰る。
2001/10/03 こんどはミョンドンへ(完全に遊びモードだなぁ,しかし)。
故郷からソウルに戻ってきた人も多くなり,だんだん寄宿舎が騒がしくなってきた。食堂や売店もいつもの活気を取り戻した感じだ。もうここまでこれば,町中の店の門も開いているだろう……ということで,サンウとミョンドンに出かける。サンウが安い傘とパーカーを買いたいというのでついていくことにしたのだ。サンウは最近アルバイトで「課外(家庭教師のようなもの)」を始めたので,それなりにおこづかいが増え,とりあえず必要な冬服や靴を買っているところらしい。
傘は安いモノでいいとのことなので,ミョンドンの街をふらふら歩いてみるが,なかなか露天の傘売りが見つからない。しかし,なかなか傘売りがいないからといって,一度歩いたところをむやみにぐるぐる歩き回ってもムダ足をかせぐばかりだ。こういうときは,ミョンドン地域のリーサル・ウェポン「明洞衣料」に行くしかない。「明洞衣料」はまるでドンキホーテを思わせる量販店で,それなりの品質のモノを激安価格で売っているという,最近どんどんコギレイになるミョンドンにありながら,その雑然さを今でも誇示し続けている名店(?)である。ちなみに店名には「衣料」とついているが,おもちゃや雑貨品も売っている。それにしても,綿パンツが6,000ウォン(約580円)とか書かれると,本当に品質は大丈夫なのかという不安が頭をどうしてもよぎってしまう。隣のファッションビル「CATS」では数万ウォンする綿パンツだって売っているのに……。とりあえず3,000ウォン弱で傘はゲット。
その後はパーカーである。ミョンドンの街を歩いて小売店に入ったり出たりしながら買い物をするのも楽しいのだが,何せ人が多いし,疲れる。というわけでオススメなのは「ロッテ百貨店本店の九階」。韓国を代表するヤングカジュアルブランド(SO,BASIC,GIORDANO,WHO A.U.など……えっ,ひとつも知らないって?)がすべてワンフロアに集まっているのだ。さらに五階に下りればスポーツ系ブランド(韓国オリジナルも世界企業も)がほぼ揃っていて,ミョンドンの混雑した街に出なくても,大体の買い物はできちゃうのである。値段も市内で買うのとほとんど同じなので安心だ。結局あれこれ悩んだあげく,QUIKSILVERのパーカーをお買いあげ。帰りがけに「ケランパン(今川焼のアンコの代わりにタマゴが一個入っている)」を屋台で食べて地下鉄で帰る。乗り換えがウザイので,ちょっと時間はかかるけど2号線で帰宅。
2001/10/04 授業開始……なんだけど。
朝,非常に体が重い。チュソクの間は休んでいたフィットネスクラブ(学校の中にある)を今日から再開しようと思ったのだが,一緒にかよっているサンウも体が重いということであえなく中止。午後の授業も教授がアメリカに出張中のため休講に。先週の授業の中での教授の話ではメッセンジャーを使ってサイバー討論をすることになっていたのだが……その時は「時差」が教授の頭にはなかったらしい。韓国時間の16時=教授のいる地域では02時。大学のコンピュータは使えないし,使えても韓国よりも回線速度が極端に遅いため討論はできそうにないし,結局,掲示板にアップされた教授の文章を読んで,見解を各自掲示板にアップするという課題に変更になったのであった。まぁ,来週の授業の時までにアップしておけばいいかな,と考えてホームページのメンテナンス。
しばらく前に韓国のCD通販サイト(音楽倉庫)に出しておいた問い合わせのメールに返事がきた。会員登録したいんだけど,住民登録番号(詳しくはこちら参照)がないから登録できない,と問い合わせたのだ。返事によると,直接メールで個人情報を送ってくれれば会員登録しておいてくれるとのこと。オマケに僕が日本に帰った後も,追加の郵送料だけ負担すれば日本にもCDを送ってくれるそうだ。韓国にきて,ひさびさに誠意ある迅速な対応を受けたため,微妙に感動してしまった。
夜は,早稲田から交換留学で来ている人の誕生会。今日,中国旅行から帰国したS君と一緒にノクトゥへ顔だけ出しにいったつもりが,語学堂時代の懐かしい友人もいたりして,ついつい話し込む。帰ろうとした時に,会場になっていたホプ(Hof,まぁ簡単にいうと洋風の飲み屋)の店長から「クレープの作り方について書かれている本を探して欲しい」と頼まれる。急いでいたので「後でメールで詳しく連絡してくれ」と名刺だけ渡して帰った。本当に連絡がくるのかな……また余計な仕事を増やしてしまった……もう性格だから仕方ないね。
2001/10/05 授業開始。
今日は朝早く起き,まずはフィットネスに通う。久々(一週間ぶり)のフィットネスなので軽めにやらないと体をこわしそう。マシントレーニングをする前の柔軟体操をやっただけで,一週間のブランクが実感できてしまうのには,我ながらちょっとオドロキである。フィットネスが終わったら図書館に移動し英語の教科書を読む。途中で学生食堂のテンジャンチゲを昼食に。13時半から授業に出るものの,休み癖がついたせいか,内容があまり面白くない(バリバリ言論情報学科なんだもん)せいか,眠くなる(先生が一時間おきに休みを取ってくれるのが救い)。授業が終わったら,再来週の発表について,チームのメンバーと打ち合わせ。もともと僕は聴講(単位は取らない)で授業に出席しているので,発表の分担も少しだけにしてもらった。来週までに日本の通信業界の再編についてまとめておかなきゃな。
あ,あと,料金を払っていなかったら電話をとめられた。とはいっても僕が悪いわけではなくて,銀行口座からの自動引き落としが通信エラーでうまくいかなかったらしい。つまり農協の責任というわけ。ポストには「4日までに払わなかったら電話を止めます」という警告書が入っていたのだが,他の用事をやっているうちにすっかり忘れてしまっていたのだ。それにしても,相手のミスなのにいきなり「警告書」はないよなぁ……。
2001/10/06 メール本当にきた。
朝,電子メールをチェックしてみると,一昨日の店長からメールがきていた。結構せっぱ詰まった話らしい。店の新しいメニューに加えようとしているようだ。なるべく早く情報をメールで送ることにする。朝10時ころからフィットネスにいこうとしたが,一緒に通っているサンウが「今日はパクチャンホ(メジャーリーグで活躍中の韓国人投手)の今シーズン最終試合があるから,それを観てからにしたい」というので,結局ヘルスには14時に到着。妙に運動したい気分だったので,ちょっと激しめの運動をして,建物の四階にあるカフェでスムージーを注文し,飲みながら寄宿舎に帰る。それにしても,カフェには客がほとんどこない様子で,店員さんがヒマしてたなぁ……。
勉強しなきゃと思いながらもホームページのメンテナンス。今しておかないと,今月末にかけてまた忙しくなるから,いつホームページを復活させられるか分からない。あと,さっそくCDの通販サイトでCDを数枚注文。今までは,そのサイトで情報だけを仕入れ,実際に市内まで足を運んで買っていたのに,直接ネットで注文した方が楽だし安い。今まで何をやっていたんだろう……。明日,農協経由でCD代金を振り込まなくては。
2001/10/07 このところちょっとお疲れ。
起きたのは午前10時ころ。食堂まで行くのがめんどくさいので友人と一緒にチャジャンミョンの出前を頼んだ。食べおわって,インターネットでメールの確認なんかをしていると,友人(日本人)との約束の時間。ソウル大入口の駅で待ち合わせて(ちょっと遅れちゃったんだが)ソウル市の北の方,ソッケ(石渓)駅へ向かう。友人が参加している日本語サークル(だからメンバーは日本語を勉強したいという韓国人)のメンバーとタッカルビ(鶏カルビ……最近日本でも人気があるみたいだね)を食べ,ちょっと遊んで電車で帰る。寄宿舎に帰り,シャワーを浴び,ちょっとホームページをつくって寝る。最近,朝も夜も異常に眠い。ヘルスで運動をしているせいもあるとは思うんだが……。気候が涼しくなって過ごしやすくなったために,体が怠けモードに入っているのかも。
2001/10/08 朝体が重い。
ちょっと風邪気味のようだ。寝るときはいつも窓を閉めて寝ているのだが……知らないうちにフトンをはねているらしい。今日は10時からシンヨンハ先生(韓国での反日言論界のリーダーみたいな先生,独島問題で有名)の授業があるため,朝8時に食堂で食事をとり(本当は7時半に),ヘルスで軽く1時間くらい運動。その後,社会大学でシンヨンハ先生の授業。いつものことながらお忙しい先生なので,本来は午後1時までの授業が11時半で終了。今日は午後1時から授業があるため,急いで食事をとって工科大学の方に向かったが,講義室で待っていても先生も学生もやってこない。あとから授業のホームページで確認したら休講だった。あ,あと今週は大学の祝祭期間。といっても何をやるわけでもないので,あまり関係ない。社会学科では屋台をやるようだが。
寄宿舎に帰って洗濯。洗濯場のテレビを見ていたら,テグ(大邱)の近くのアンドン(安東)市で「世界儒教文化祝祭」というイベントが開催されているようで,KBSの「生放送・韓国の今」という番組で中継されていた。今年は特に,韓国儒教における偉大な存在であるテゲ(退渓,これは号)イファン(李滉,これが名前)の生誕500周年ということで,盛大に開かれている様子だった。イベントの中では,儒教文化の伝統芸能のほか,かつての考試(公務員登用試験)の様子なども再現していて,なかなかおもしろそうだった。イファンについては詳しくないのでここで説明できないが(詳しい説明はYahoo! Korea百科事典の李滉の項目を参照してください)現在の1,000ウォン紙幣の肖像が彼である。このイベントが開かれたアンドンには彼が人材養成のために建てたドゥサンソウォン(陶山書院)がある(1,000ウォン紙幣の裏面の図柄になっている)。
夕食を食べたら強烈に眠くなったので,一眠り……のつもりが起きたのは深夜の12時。眠れないのでそこから4時くらいまでネットサーフィン。
2001/10/09 目が覚めたら。
朝7時からフィットネスにいくつもりだったのだが,朝目が覚めるとすでに10時。時間も遅いし,窓の外はけっこう強い雨が降っている。行くのがイヤになって,友人と電話で相談し,明日行くことにする。ブランチを食べに食堂に行くのもめんどくさいので,出前でチャムチチゲ(ツナ缶鍋)を注文。食堂のメニューよりもちょっと高めの3,500ウォンだ。味はまぁまぁだが,配達中にどうしても冷めてしまうので,チゲ大好き人間の僕としては少し残念だ。

出前のチャムチチゲ。食後のヤクルトがポイント(笑)。必ずついてくる。
午後4時からは授業があるので,雨が降っていてイヤでも行かなければいけない。最近,部屋にいるとネットをやっているかホームページつくっているか,音楽聞いて雑誌読んでいるかで,あまり勉強していないことに気づく。このまま堕落の道を辿るのはどうしても避けたい(苦笑)。今月末の中間試験・レポート週間に向けてそろそろモードを展観するかなぁ……そろそろ卒論の主題も決めて資料集めに取りかからなきゃいけないし(こっちの教授に卒論の相談に行ったら,「早いうちにテーマを絞り込みなさい,そうでないと僕もアドヴァイスできない」と言われたしなぁ……)。
2001/10/10 再び休講。
今週は秋の大学祭週間。学園祭自体は月曜日から金曜日まで続くのだが,授業が休講になるのは今日(水曜日)だけだ。授業がないとなると,やはり気がゆるみ,朝起きるのが遅くなるのが学生の常である。先月からずっと朝8時にフィットネスに通うことにしているのだが,最近,8時に遅れる日が増えてきている気がする。もちろん,授業がそれなりに忙しくなってきて,夜遅くまで勉強しなきゃいけないだとか,一緒に通っているサンウが家庭教師のアルバイトを始めたため,朝早く起きるのがつらいとか,いろいろな要因はあるのだが……。さらに雨も降ってきた。ますます行く気が失せる……。
結局,サンウがあまりにも腹が痛いというので,今日は僕ひとりでフィットネスへ。すでに時間が11時を回っていたのでチキンタンス(鶏の酢豚みたいなもの)定食を食べて2時間ほど汗を流す。その後,前日に予約を入れておいたイガジャ美容室へ。ソウル大から美容室のあるチュヨプ(注葉)駅まではだいたい1時間半かかるので,ちゃんと時間を計算して出発しないと大幅に時間に遅れてしまう(どうしてそんなに遠いところまで行くのかに関してはここを参照)。そもそも1時だった予約をわざわざ2時半に遅らせたのに,ソウル大入口駅までの市内バスがなかなかこなくって(20分くらい待った)結局30分ほど遅れて到着。
今回はカットと軽い染色だけだったので早く終わるかな……と思ったが,もみあげの髪の毛の流れがどうも気に入らないらしく(僕が気に入らないわけではない)いろいろと臭い水を塗ったり,それをあっためたり,挙げ句の果てに弟子が失敗して直したりしていると,すでに周りは暗いのであった(結局,美容室を出たのは午後7時過ぎ)。なぜか今日は韓国語が出てこない。美容室でも,まるで韓国にきたばかりのような状態だった。まぁ,韓国語が口をついてでるかどうかには「波」みたいなものが微妙にあるので,あまり気にしないことにする。お腹があまりにも減ったので屋台でプゴパン(鮒パン……たいやきのこと)を買って食べる。夕食は寄宿舎で食べようとも思ったが,時間が遅くて開いていないことに気づき,駅近くの雑居ビルでコンナムルクッパプ(豆モヤシクッパプ)を食べて帰る。客もほとんどいない小さな店だったが(どうも夫婦で切り盛りしているようだった)なかなかおいしかった。

これが「プゴパン」。韓国風のたいやき(直訳すると「鮒パン」だけど)。
4個1,000ウォン。左奥は売店で買ったソウル牛乳。
ちなみに美容室のあるチュヨプは,コヤン(高陽市)の中心街のような雰囲気だ。地下鉄でチュヨプまで行く途中では,いったん田んぼしかないような田舎の風景が広がるのだが,再び都会の雰囲気に戻る(ちなみに,その途中のチチュク(紙[木丑])には地下鉄の基地がある)。雑居ビルや新しくオープンしたステーキハウス(ちなみにOUTBACK STEAKHOUSE……もともとはアメリカのチェーン,日本よりも韓国に先に進出していたらしい)があったり,百貨店があってその周りに若者がたむろっていたりしている。これといって特別行きたい場所ではないが,嫌な場所ではない。いかにも「郊外の中心街」といった雰囲気である。
2001/10/11 野外授業。
昨日の美容室の疲れもあって朝起きるのが辛い。それでも朝11時ころからフィットネスに向かう。 いつもは体が寝ぼけている朝に行くのでそんなに激しい運動はしないのだが……今日は(それなりに)充分寝たあとの昼。気分もよく,二時間ほど汗を流し,サウナまで入る。おかげでちょっと眠くなる……。
売店や図書館で軽く時間を潰し,午後四時からの授業に出席。本来は三時間の授業なのだが,今週は祝祭週間。学生の要求もあり,一時間だけ教室で授業をし,残りは本館の前の芝生畑で「野外授業」をすることと相なった。一般的な言葉かどうかは定かではないが,「野外授業」は「教室にいても退屈だし,まぁ芝生に車座に座って,酒でもいっぱい飲みながら話でもするかな」くらいの定義である。ソウル大学の構内で学生が屋台(チャントという)で売っている酒といえば「マッコルリ(韓国の濁り酒)」なのだが,今回もご多分に漏れず「トッポッキ(お餅を唐辛子味噌で炒めたたもの)」や「スンデ(豚の腸に米や春雨や血などを詰めて蒸したもの)」を肴にマッコルリである。途中で帰る女子学生もいたが,酒好き(と思われる)の教授は絶好調で学生に酒を勧めまくる(僕も例外ではなかった)。
結局一次会では(当然)終わらず,ソウル大生御用達のノクトゥの酒店街へ繰り出し,二次会。女子学生がいたこともあったのだろうか,お酒はビールという選択で,韓国にしては驚異的ともいえるソジュ(焼酎)なしの飲み会となった。男子学生は復学生(軍隊に行って帰ってきた学生)が多く,年齢も僕よりも少し上だったので話も弾む。軍隊には大学を卒業してから行ってもよいし,入学直後に行ってもよいし,いつ兵役に行くかは人それぞれなのだが,二学年,三学年を終わって兵役に行った復学生は一緒に入学した同級生と別れてしまうことが多いので,学科ではすこし淋しい思いをしているようだ(僕と似た境遇が話を弾ませた原因かも)。話の中で「日本では男女がつき合い初めて百日過ぎてもHをしないと,二人の間に問題があるかと疑われるというのは本当か」と尋ねられたが,その席での唯一の日本代表だった僕は何と答えるべきだったのでしょうか(笑)。飲み会は日付が変わるころにお開き。ソウル大の教授アパートに住んでいる先生とは帰りが同じ方向なので,一緒のタクシーで帰ろうとしたが,僕が忘れ物を店に取りに行っている間に独りでさっさと帰ってしまったらしい。20分探しましたぜ……。
タクシーを止めようとしたが,毎度おなじみ乗車拒否の嵐。タクシーの運転手の職業的地位を上げ,プライドを上げ,乗車拒否をなくそうという目的を果たすため,先月初めにタクシー料金が五割ほど引き上げられたのに,効果はまったくないようだ。乗車拒否は実は不法なので,明らかに乗車拒否をすると警察に通報される恐れがあると見たのか,今日は「ソウル大学? 知らないなぁ……」という「知らんふり」作戦を使う運転手を発見。知らなけりゃぁ乗車拒否にならんという理屈なのだが……。タクシーを拾おうとしたノクトゥからソウル大までは二キロもないぞ。日本で言えば,渋谷駅前でタクシーを止めて,「NHK? 知らないなぁ……」と言われるようなもんです。
2001/10/12 運の悪さではS君に負けません。
社会科学大学は今日は休講。「随時募試」という方式の大学入試が行われるそうだ。一般に韓国で大学に入学しようとすると「受能試験」という,日本でいうと「センター試験」のようなものを受験しなければならないのだが,これとは別に論文や面接で合格させる入試方式があるらしい。
というわけで今日も遅く起きる。余裕をぶっこいていたら,約束の時間に遅れてしまった。再来週(予定)の金曜日の授業で発表をするのだが,一緒に発表するチームの学生と,打ち合わせをすることになっていたのだ。発表の内容は情報政策。アメリカの教科書を使っている関係で,教科書を要約してもアメリカの状況しか分からない……というわけで,韓国人は韓国の状況を,日本人である僕は日本の状況を紹介することになっている。とはいうものの,なかなか日本の資料を集めるのがむずかしく,この日の段階では資料を何も整理できていない状況。同じチームの韓国人は日本語を知らないので,僕を手伝うこともできないし……。来週のこの時間までに各自それなりにまとめてくることで合意。打ち合わせは一時間ほどで解散。
その後,ヨンサンへバスで向かい,プリペイド携帯電話にお金を入れ,前日に日本の友人から頼まれていた音盤を購入。他にする用事もないのでバスで再びソウル大学に帰る。バスを下りるときに宅配会社から携帯に電話。予想していないいきなりの電話だったのでしどろもどろになってしまったが,先日ネットで注文しておいた音盤が配達されるらしい。しかし,厄介なことに,その宅配業者からの電話に寄れば,寄宿舎にくる宅配便は本人が直接受け取るのが原則なのだが,時間的にそれができない場合は,あらかじめ管理室に連絡をしておかなればならないらしい。管理室の電話番号を聞き,近くの連絡を済ます(携帯からかけると高いので,可能な限り講習電話を利用することにしている)。意外とめんどくさいなぁ。でもこれからは大丈夫。
大学の中の売店でソウル大バッヂを購入し,日本に送る音盤に同封。それを構内の郵便局の無人窓口から配送。寄宿舎に戻って管理室に音盤を取りにいくも,まだ届いていないとのこと。疲れたので部屋でひと休みして,ジュースを飲みながらキャラメルコーンを食べていると……。
「ガリッ」
あれぇ,砂糖の固まりでもあったかなぁ……,でもやけに固いなぁ……と思いながらティッシュに取り出してみると,歯に詰めていた詰め物が……。慌てて舌で歯を確かめると,確かに穴があいてる……。風邪とかなら,薬を飲んで何とか直せるのだが,歯となるとなかなか自分では直せない。しかも,保険とかないし,病院で使いこなせるほど韓国語もうまくないし……と悩んだあげく,学校内の診療所に歯科があることを思い出す。しかしプサンに帰っているサンウに電話で聞いたところ「やめといたほうがいいよ」……確かに。
結局,昨年末のセミナーに一緒に参加された東大の大学院生の方に頼んで,日本語が話せる知り合いの歯医者さんを紹介していただいたので事なきを得た。明日にでも行きたい気分だったのだが,運の悪いことに明日は歯科学会があるらしく,先生はそれに出席しなければならないとのこと。月曜日の朝9時40分に予約を入れて,不便ながら(幸い,痛くはなかった)も夕食(タンスユク+ラポッキ+ご飯というバランスの悪すぎるメニュー)をとり,凹みながら就寝。音盤も無事受け取る。

どこの国も宅配便の感じは同じやね。
2001/10/13 チケット前売り。
歯医者を紹介していただいたお礼の意味も込めて,その大学院生の方に資料をお送りすることになっていたのだが,起きたのは朝11時。土曜日は郵便局は正午で閉まってしまうので,急いで着替えて図書館に向かう。幸い資料のコピーと書籍の購入はスムーズに終了。11時50分に郵便局から無事に発送。その向かい側にある学生食堂で食事。よりによって「チャップステーキ」という歯ごたえ抜群のメニューをチョイス。片方でしかかめないので,あまり味がよくわからない。
明日,アルバイトが終わってから映画を見ようと考え,コエックスに行ってチケットをあらかじめ買っておく。アルバイトが終わるのが日曜日の昼。当日はチケットが買えないくらいに混んでいることは軽く予想がつく。一枚8,000ウォン×二本で16,000ウォン。土日の昼間は平日に較べて1,000ウォン高いのだ。今月はお金をたくさん使ってしまったので,特に買いたいものもない。そのまま帰宅。
2001/10/14 不幸は続くね。
最近,ウチの棟では携帯電話の電波が非常に入りにくい。というか,ほとんど入らない。寄宿舎ホームページの掲示板を見ると,今年の初めから寄宿舎新館では携帯電話(特にPCS……日本でいうところのPHS)が入りにくいという症状が続いていたようだ。一学期の間はアンテナマークの立ちが悪いだけで,使えたのだが……(ちなみに韓国の携帯電話のアンテナバーは五本あったりする)。すぐとなりで行われている寄宿舎新築工事の影響かどうか知らないが,最近はめっきりである。
朝,ちょっと遅れてしまったがアルバイト(これまでは「用事」と書いていたけど,もうめんどくさいからバラします……本当は不法なのね)先に向かうも,日本語を教える相手がいない。家族の方に電話で確認していただくと「朝,携帯にメッセージを送った」とのこと。手元にある携帯を見てみると……「昨日までの宿題をやっているので,今日はできないです」とのメッセージが。出かける時に確認したのに……。届かずにセンターに残っていたメッセージが,かなり遅れて到着したようだ。映画のチケットをあらかじめ買ったことが災いして,一本目の上映まで四時間以上が余るという事態に(映画のチケットの時間を変更するというテもあったのだが,二本見る関係で,時間を不用意に動かせないのです……一本目を見ている間に二本目が始まったりしないように)。
天気もいいので,久しぶりにキョンボックン(景福宮)へ向かう。アルバイト先のキョデ(教大)から地下鉄3号線一本で行けるのだ。よく考えると,入場料を払って中に入るのは去年の冬以来かもしれない。入場料は青少年・軍人の300ウォン(24歳までは青少年扱いです)。300ウォン(約27円)で多くの国宝と民族博物館に入場できると考えたら安いものだ。日曜日の昼,秋晴れということもあって,宮殿の敷地は親子連れやカップルがいっぱい。韓国・ソウルのほのぼのとした風景を見ながらちょっと羨ましくも思ってみたり……。
その足でコエックスに向かい,昼食→映画→夕食→映画。二本とも韓国映画だ。一本目は「子猫をお願い」。20歳の女の子四組を描いた映画。ちょっと軽い感じもするけど,そこそこ面白い映画だった。二本目は「バタフライ」。これはいわゆる「芸術映画」というやつで,内容も面白いものではないし(funnyの意味で),むずかしい映画なので,封切り二日目にして観客は10名少々だった。カップルで見にくる映画ではないだろう。英語字幕版も上映されていたので,興業成績よりも,海外のコンクールを狙って制作されたものらしい。バタフライという映画,小さいフィルムを使っているようで,画質が荒いし,ハンドカメラを多用したり,アップと引きを多様したりと,まさにインディーズ風味。夕食にトンカツという脂こいメニューを食べたせいもあって,見ていてちょっと酔ってしまった。内容はそれなりに面白かったと思う。僕の趣味には合っていた。時間がなかったのであらかじめシノプシスを読んで行かず,「鉛中毒」という言葉を聞き取なかったのでちょっと悔しい思いをしたが……。
2001/10/15 大学記念日で休み。
今日は大学記念日で授業がない。が,歯医者に行かなければならないので,朝早く出かける。歯医者が鐘路(チョンノ)5街にあるので(地下鉄で一時間ほどかかる)かなり早く出かけなければならないのだが,最近の寝坊癖でちょっと寝坊。着替えと洗面だけしてダッシュでマウルバス→地下鉄2号線→4号線→1号線と乗り継ぎ,時間までに何とか到着……するものの院長の都合で20分ほど遅れるとのこと。財布の中にお金が一万ウォンしかなかったので,近所の銀行でお金を下ろす。
幸いにも取れてしまった詰め物を再利用できるとのこと。レントゲンを撮り(これがフィルムを使わず,直接パソコンに画像を取り込める優れモノ)診察を受けた結果,詰め物の下が「二次齲歯」を起こしてしまっているらしい。ちょっと削って詰め物を接着して治療は終了。20,000ウォン也。保険がないのでいくらかかるか心配だったのだが,予想よりも安くて一安心。明日,確認のためもう一度こなければいけないとのコト。会話はほとんど韓国語でしたのだが,時折話す日本語の発音を聞くと,日本語が相当うまいことを知ることができた。それもそのはず,日本の医大を卒業なさっているのである(爆)。
散歩がてら,トンデムンシジャン(東大門市場)へ。街の食堂で4,000ウォンのスントゥブチゲ(おぼろ豆腐鍋)を食べながらニュースを見ていると,小泉総理が韓国に訪れたとのこと。トンニプムン(独立門)の前やら,市内の道路でやら行われたデモの様子が映し出されていた。食堂のおじちゃんも小泉総理訪韓のニュースが始まると,「ヤツが来たのか」と呟きながらテレビのボリュームを上げて食い入るように見つめている。食堂を出るときまで日本人とばれないか心配でした(ばれてたかもね)。
2001/10/16 北朝鮮の映画上映。
やはり朝遅く起きる。今月初めの連休以来,朝早くフィットネスに通うという目標を忘れてしまったかのようである。今日は朝寝坊することを計算に入れ(本当は朝フィットネスをすることを計算に入れていたのだが)歯医者の予約は十一時。接着状態も良好とのことで,これで治療完了。結局,かかった費用は25,000ウォンだった。帰りに近所の薬屋で風邪薬を購入。このあたりもいわゆる「市場」で,食器やら日用品を売る店が多い。路上では果物や草花,どっかでみた野菜切りカッターみたいなものの実演販売までやっている。でも,薬屋が五件も六件も軒を連ねているのはどうかと思うぞ。昼食をどこで食べようか悩んだが,鐘路(チョンノ)5街の地下鉄駅のトイレの横にある職員食堂で食べることにした。職員食堂とはどこにも書いてないのだが,のっぺらぼうの壁に,窓のないネズミ色の鉄の扉。そこに「食堂・2,500ウォン・一般人歓迎」と書かれたプラスチックの札がかかっているという,まるで入ることを拒んでいるかのような食堂である。韓国人も入るのをためらうことだろう。
2,500ウォンで出てきた食事は「いかにも韓国の庶民食」といった感じのモノ。写真を撮らなかったのが惜しまれるが(というかあの雰囲気で写真を撮ってたらヘン),ダイコンとタラの汁,ご飯,焼き魚,キムチ,野菜のナムルなど四種類という,野菜の和え物を中心に,魚を加えたメニュー。焼き肉だけが韓国料理だと思っているアナタ,間違いです(笑)。僕は牛肉バンバン使ってます〜という料理よりも,こういうタイプの食事の方が好きで,おいしくいただきました。また行ってみたい食堂のベスト五入りは確実です(たぶん僕だけでしょう)。韓国にきたら,地下鉄駅の職員食堂にトライ! お腹を壊しても責任は取りませんが……。
授業は四時からなのだが,今日はソウル大統一セミナーというところの主催で北朝鮮映画の上映会があるとのことで,授業の一環としてそれを見るS君と会場に向かった。映画のタイトルは「帰らざる密使(1987年)」。ハーグ密使事件を題材に作られた映画だ。いたって真面目に作られているのだが,不意に笑える箇所もあり(失礼)北朝鮮のセンスをうかがい知ることができる。データそのものはパソコンのハードディスクにダウンロードしたものらしいのだが,元テープは日本から持ってきたものらしく,すべて日本語字幕入りだった。ちょっと遅れながらも四時からの授業に出たものの,昼に飲んだ風邪薬が強かったのか,頭がくらくらする(こういう状態を韓国語ではオジロプタという)。夜はメールの整理をして就寝。そろそろ発表のデータを集めないとな……どこの国に入っても,やり始めるのが遅い僕でした。
2001/10/17 時間はあるのだけどね。
ここ数日,妙に日本に手紙が書きたくなって,電子メールを送りまくったり,絵はがき(ソウル大オリジナルの絵はがきがある……美術学部の教授が描いた絵らしい)を書きまくったりしている。韓国からの航空はがきは均一350ウォン(約32円)。あらかじめ郵便局で350ウォン分の切手を買いだめしておくのだが,350ウォン切手というものはないらしく,必ず340ウォン(約31円)切手+10ウォン(約85銭)切手という組み合わせになる。絵柄がまたうまくできていて,340ウォン切手は飛行機(書いてはないけど,水色の機体をみるに明らかにコリアン・エアー),10ウォン切手は太極旗(韓国の国旗)……並べて貼ると,字が読めなくても韓国からの航空郵便であることが一目瞭然である(狙ってのことかは知らないが)。

350ウォン分の切手。

ちなみに,数カ月前に発売されたキムチ記念切手。
「韓国の伝統食べ物シリーズ1・キムチ」
久しぶりに朝早くサンウと二人でフィットネスに通う。サンウは今月から週五日のアルバイトを始めたせいもあり,かなり疲れている様子。たぶん,毎日同じ運動をするので(フィットネスってもともとそういうもんだけど)飽きもきたんだろう。僕は単調な繰り返しにも文句をいいませんが(笑)。授業が午後からで,時間があったため,サンウがTOEFLの申請をするというのでカンナム(漢南)までついていく。さすが金持ちの街,カンナム。地下鉄の駅から出る階段では,パートのおばちゃんがナイトクラブのチラシを配りまくっている。思わず,三年間見続けてきた渋谷の駅前の光景……美容室の割引券を配りまくっているおじちゃん……が脳裏に浮かんだ。
サイバー倫理の授業は,特別授業ということで外部の講師を読んでの講演会。話の内容は大したことなかったですが,キョンサンド(慶尚道)方言の勉強になりました(笑)。
2001/10/18 秋眠暁を覚えず。
ルームメイトと生活時間が合わない。僕は深夜二時ころ寝るのだが,その時に彼はまだ部屋に帰ってきていない。つまり,彼は僕が寝たあとに帰ってくるのだ。遅く寝るのだから,朝は当然遅くなり,僕がフィットネスに通うときはもちろん(朝七時ころ部屋を出ますから)午前十一時ころ部屋を出るときもまだ寝ている。起きて空間を共有することがほとんどないのだ。会話のない夜勤のお父さんと子供の姿,ここにあり,という感じである。
それはそうとして,今日も昼頃起床。昼食を食べてフィットネスに向かう。たくさん寝たので気分がいい。とはいえ,あまり一生懸命運動すると授業中眠くなるという弊害がでるので,軽く運動することにする。運動を終わってみるとまだ二時。授業は四時からなので,久しぶりに学生室に行くことにする。ちょうどこの時期は学生快調の選挙の時期なので,社会科学大学の建物の前にも社会学科の学生が……。「ひょ〜ん(男が年上の男性を呼ぶときの言葉)投票しましたか」と投票を求められたが投票人名簿に名前がない。投票ができるかどうか,いろいろ電話で問い合わせてくれたのだが,結局投票できないらしい。「特別学生」の本領発揮である。学生室に行ってみると,なんと今日はじめて合う顔も(うぎゃ……もう七ヶ月過ぎたぞ)あったりして世間話やら韓国財閥の暗部なんかを話していると,誰かが小包を持ってやってきた。プサンから送られてきた荷物らしい。箱を開いて嬉しそうに僕に見せるので何かと思って見てみると……日本製のプラモ(しかも戦隊モノ・対象年齢15歳以上)だった。日本にいる韓国人留学生と,韓国にいて日本の商品が買いたい人を仲介するようなシステムがあるらしく(詳しくはわからなかったが)基本的に「不法輸入品」とのこと。そういえば,こんなシステムを聞いたことがある。そのシステムとは,まず,海外に滞在している韓国人が帰国するときに,ブランドバックなどを大量に購入し,手荷物で韓国に持ってくるように頼む。次に,韓国に持ち帰られたその商品を現地購入価格に報酬を加えた値段で買い取る。最後にその商品を市価よりも安い値段で売りさばく,という「不法輸入」仲介業者だ。今でも行われているのかどうかはよく分からないが,双方にとって結構おいしい「バイト」らしい。
木曜日の授業が三時間連続なので,かならず途中でトイレに行きたくなる。それをのぞけば面白い授業なのだが……。先週の飲み会の時に先生に話した意見が聞き入れられたのか,今日は話の中で出てきた人名をアルファベットで黒板に書いてくれた。海外の人名の発音は,日本と韓国で大きく違うから,音だけではよく分からないときが多いのだ。例えば,ポーランド人社会学者の「マンハイム(Mannheim)」は韓国では「マネイム」。「マンハイムの」は「マネイメ」となってしまって,聞き慣れない人名だとさっぱり分からない。
僕の話ではないのだが,MBCテレビの深夜番組「100分討論」に我が同志が出演したらしい。出演といっても,討論をしているパネリストの裏で討論を聞いている取り巻きなのだが……。テーマが日韓関係だったため,外交学科にアルバイトのオファーがきたそうだ。数分であったが,流暢な韓国語で意見を述べた模様。その勇士はこちらのホームページで鑑賞可能(第89回をご覧ください)。
2001/10/19 クルーグマン,ソウルにきたる。
部屋で音盤をインターネット経由で注文し,社会科学大の中にある農協のATMで代金を振り込み,いざ,授業に出ようとしたのだが……卒業写真撮影のため授業が30分遅く始まるとの張り紙が。そういうことはあらかじめ言ってほしい。ここ一週間程,卒業写真を撮る学科が多いらしく,学内ではスーツに身を固めた学生をよく見かける。卒業アルバムの写真などにあまり神経を使わない東京大学とは,大きな違いだ。かなり気合いを入れて写真を撮るらしい。韓国国内では,ソウル大学卒業がまだまだ人生を大きく分ける肩書きであることを象徴しているようで面白い。
基本的に,韓国人は写真が好きで,人生の節目にはかなり気合い入れて写真を撮る。結婚するときは写真撮影旅行に出かけるカップルもいるとのこと。部屋に大きな家族写真や夫婦の写真が飾ってあることも珍しくない。ソウル大の入学式や卒業式の日には大学構内のいたるところで,今が書き入れ時とばかりに流しの写真屋が客を呼び込んでいる模様が見られる(ウドンだとかの屋台も出たりする……お祭りじゃないんだからさぁ)。
今日は午後三時から経営大学の国際会議室でクルーグマン(Krugman)プリンストン大学教授の講演会があるというので,授業を途中で抜け出して聞きにいくことにする……とは書いたものの,大学生としての常識のない僕は,実は先週構内にかかっていた懸垂幕で彼の名前を知った(恥)。あまり大きくない部屋だったため,開演直前に教室に行ってみると,部屋から人が溢れんばかりの盛況ぶり。仕方がないので,座席の裏の方の空間で聞いていたのだが,立ちっぱなしだし,人いきれで気分が悪くなり敢えなく途中退出。英語もあまり聞き取れなかったしなぁ……韓国にきてから,もともと弱かった英語力が,ますます弱くなっている気がする。知り合いにこれを話したら「だめですねぇ,すぐに日本に帰った方がいいよ」と痛い忠告を。確かに。ソウル大生よりも英語ができないのは問題ですな(うぎゃ)。
帰りがけ,コンピュータ室に寄ったら,来週の金曜日に一緒に発表するメンバーが話し合っているのに遭遇。(なぜ呼ばないのさ)と微妙に思ったが,来週が発表だと言うのに,まだ発表草稿も提出していないのであまり文句も言えない(泣)。とりあえず,来週の水曜日までにパワーポイントの資料まで準備して持っていかなければならなくなった。来週は忙しい一週間になりそうだ。月曜日に試験,水曜日に原稿提出,金曜日に発表,翌週の月曜日に(ひょっとしたら)レポート提出。再来週のレポート,二週間で500ページも参考資料を読めませんぜ(うひゃ)。
寄宿舎に帰ってみると,今日は寄宿舎のお祭りだった。道には屋台が並び,運動場にはカラオケ大会・歌手招聘兼用のステージが作られ,食堂はダンスパーティの会場になるため,照明やスピーカが据え付けられていた。この日記を書いている今も,窓の外から歌い声が響いている。……と書きながら,オーストラリアやアメリカに同じ身分で留学している同志を思い浮かべた。彼らはどんなパーティをしているのだろうか……。きっと,こんなにしみったれてないんだろうなぁ……。いや,ソウルの方が僕には合ってるんだけど。