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[カンニング]
僕の所属する社会学科で大問題が勃発。それは「集団不正事件」。今回も,ちょっと「古い」韓国の姿について迫ってみよう。
発端。
社会学科で「カンニング事件」が起こったことを知ったのは,友人と買い物に出かけて寄宿舎に帰るとき,その友人が話してくれた「昨日,社会学科がSBS(ソウル放送)ニュースに出たよ」という言葉を通じてだった。ニュースの中では「ソウル大学のある学科」との情報しか流れなかったが,その時の映像で写った学生室や友人の話などから社会学科であることは確かだという。
事件の概要。
ここでは,ソウル大の学生が製作している(たぶん)インターネットサイト,「SNUNOW.com」からの記事を引用・翻訳して概要を紹介しようと思う。
中間考査「カンニング」波紋 ─── 社会学科試験で集団不正行為
社会科学学部のある講座で,中間考査の途中で多数の受講生がカンニング(不正行為)をしたことが明らかになり,再試験を行うなど波紋が生じている。問題になった科目は社会学科専攻必須科目の「基礎社会学」だ。
この科目は社会学科の一年生全員と約10名の他学科の学生,合わせて約50名程度が受講していたが,去る五月二日(水)に行われた中間考査で,後ろの席に座っている社会学科一年生の学生の一部が試験中に「チョクボ(訳註:恐らく「族譜」だと思われる)」と呼ばれる模範解答を盗み見たという。この事実は試験が終わった後,社会学科以外のある受講生が担当教授に情報を提供するメールを送り明らかになった。現在までに社会学科受講生の10〜20名程度の学生たちが関与したことが把握されている。当時,試験場には1名の担当助手がいたが,電話を受けるために講義室の外に出ていったなど監督が不十分だった。
このことを知った直後,担当教授は,七日(月)午後,抜き打ち的に授業時間に再試験を行うことに決めた。社会学科の学生らはこの事態に対して八日,討論会を開き問題を公にした。九日社会学科の学生から配布された文言によると▼不正行為があまりにも公然と自然に行われており▼このことは不正行為に加わっていない人たち,特に「他学科」生に対して不利益を与えているとの問題点を指摘した。学生らはこのような事態が起こった原因として▼相対評価が引き起こした競争の激化▼不正行為を別に深刻に考えない学科内の雰囲気▼単純暗記式の試験内容が指摘した。
このように集団的な不正行為が起こるようになった最も大きな原因は社会学科に蔓延している「不正行為に対する寛容な雰囲気」であるように思われる。学生らは「先輩たちも不正行為をしてきたと聞いた」「当時監督していた助手も学生のカンニングを容認してくれているんだ,との雰囲気を感じた」と語った。
この事件に対し,社会学科の学生らは十四日(月),学科の担当教授二人と対話する予定で,社会学科01学番(訳註:「2001年入学者」の意)の学生らは今週中に公式に立場を明らかにし,これによって行動をとるとのことである。(ジョ・クゥィドン記者)[翻訳は坂崎,オリジナルはこちら]
他の学科の学生に対するお詫びの言葉を,社会学科のある学生が学科のインターネット掲示場に書き込んだらしい。それを記者が見て,記事に仕立てたという噂もある。
カンニングに対する甘さ。
東京大学の場合。カンニングをするとどうなるのだろうか。1・2年生の場合(教養学部)の場合は「当該学期に取得した単位がすべて無効」となる。3・4年生の場合は学部によっても差があるが,法学部や経済学部の場合は「即時退学処分」である。つまり,カンニングは社会的ルール,人間としてのルールを犯したということで,重罪に問われるのだ。
しかしここ韓国では,昔からカンニングに関しては寛容らしい。これは別に社会学科に限ったことではなく,どこの学科でもそのようだ。この事件を,東大で朝鮮語を教わっていた生越先生にメールで知らせたところ,先生の経験でもカンニングは日本に較べてよくあることのようで,このようなことが報道に乗ったことが驚きだ,との感想を送ってくださいました。また,他の学生が不正行為をメールで教授に知らせたというのを聞き,韓国も変わったな,との印象を持たれたようです……。
カンニングは「悪だ!」という考えよりも「相互補助」精神という考え方の方が強いんだろうか。それにしても社会的不平等や,労働問題について考える前に,自分たちの行動を考え直すべきではなかろうか。社会学科の談話の「学生らはこのような事態が起こった原因として▼相対評価が引き起こした競争の激化▼不正行為を別に深刻に考えない学科内の雰囲気▼単純暗記式の試験内容が指摘した。」という一節も,「こんな事態が生じたのは,試験が悪いからだ!」と言わんばかりである。学科内の要因についても「雰囲気」という言葉で言及しているが,自分たちのことは棚にあげているような雰囲気が漂ってくる。
少なくとも,社会学科の学生は,自らルールにしたがってソウル大を受験し,合格しているわけであり,自ら希望してソウル大学の構成員の一員となったわけである。それならば,当然,大学のルールに従わなければならないはずだ。大学のルールが納得できない者であるならば大学をやめればいいだけのことだ。もちろん,これは大学のルールや教育の姿を変えるという権利を排除しているものではない。大学という組織の中では,相当に不条理なルールでないかぎり,変革の要求もルールに従って行われるべきであろう。
結局,助手は地位格下げ処分を受け,学生は警告処分(実害なし)となったようである(未確認情報ですが)。ルールを破っておきながら,責任を転嫁しようとする学生たちに対しては,極めて甘い処分ではなかろうか。僕は退学処分をとってもよかったように思うのだが。東大総長,東大はこんな大学と協定を結んでいるのですよ。