[交通システム 1]

 ソウルは東京よりも交通システムが発達しているように思う。もちろん,アジアの国家にありがちなひどい渋滞や道路の空気の悪さはここでも一緒。ここでは交通システムについて少々紹介したい。まずは地下鉄を紹介しよう。

 

 地下鉄の概要。

 ソウルでの移動手段として最もよく使われるのが「地下鉄」だ。つい今年(2001年)に5〜8号線がほぼ全線開通して,一段と便利になった(例えば,昔はイテウォンには駅がなかったのだ)。新しい駅は非常に広く,美しい。ソウル市内には全部で8路線が走っている。路線名前も「○号線」と数字がついているだけなので,非常に分かりやすい。東京のように「半蔵門線」「丸の内線」などなど,複雑な地名がついていないので,外国人もすぐに乗りこなせるはずだ。もちろん,各路線ごとにシンボルカラーも決まっており,駅名表示板や乗り換え案内はこの色で統一されている。主な表示板には,ハングルのほか英語と漢字が一緒に表記されており,外国人への配慮もされている。さらに,駅にはそれぞれ通し番号がつけられており,駅名表示板には必ず書かれている(例:3号線の15番目の駅なら「315」とか)ため,路線の色と番号だけで乗りこなすことも可能だ。


例えばイテウォン駅の場合。
6号線なので表示は茶色だ。駅番号は630。

 初乗り料金は600ウォン。市内への移動ならだいたい600ウォンで足りる。一番遠くまでいく場合でも1200〜1300ウォンくらいであろう。

 厳密に言うと,1号線2号線3号線4号線は「ソウル地下鉄公社」,5号線6号線7号線8号線は「ソウル特別市鉄道公社」という別の団体が運営しているが,別に会社をまたがって乗っても初乗り料金を取られることはない(文字の色はそれぞれのシンボルカラー・赤色がないのが意味深だ・笑)。ちなみに,キンポ(金浦)空港までは5号線で直接いくことができたが,新しいインチョン(仁村)国際空港へだまだ地下鉄ができていない。9号線が計画中(建設中?)という話もあるが,まだ当分かかりそうだ。

 また,ソウル市を出てしまうと「ソウル市地下鉄」ではなくなってしまうので,秘かに路線名が変わってしまう。途中から国鉄区間に乗り入れることもある(1号線)。多少駅のデザインや案内板の様式が変わるが,シンボルカラーもそのままだし,別に乗り換えが必要なこともないので,心配ない。

 「WEB SUBWAY」という地下鉄案内・検索ページもあるので,ハングルが読める場合は利用するのも便利かもしれない。

 地下鉄の乗り方。

 基本的には日本と変わらない。切符を買って改札を入れば大丈夫。ただ,行き先によって改札が違うことが多いので,注意が必要だ。切符の自動販売機はボタンを先に押してから,お金を入れる自販機が多い。しかし,韓国人を見ていると自動販売機で切符を買う人よりも窓口で切符を買う人の方が多いようだ。また,新しい路線では改札は日本のものと変わらないが,古い路線では回転バーを自分で押して通るようになっている。

 注意しなければならないことが一つ。韓国の地下鉄には「○番ホーム」という概念がない。駅の案内板で見かける「」とか「」の数字(色地に白のマル囲みになっていることが多い)は「○号線」を表示したものなので,勘違いしないように。列車の行く方向を確認するには数字のあとに続く「○○・△△・□□方面」という案内を見るか,ホームの壁に貼ってある運行図の矢印を見なければならない。

 電車がやってくるときにベルがなり,ドアが閉まるとき,発車するときにベルがならないのも,最初は不自然に感じるかもしれない。が,よく考えると列車事故で一番危険なのは列車が入ってくるときだ。日本よりもベルをならすタイミングは適切かも知れない。

 地下鉄の中では。

 驚くかも知れないが,韓国の地下鉄には,いわゆる「物乞い」「物売り」「布教者」が(特に週末は)頻繁にやってくる。「物乞い」の中には,金をとろうと強引に迫ってくるヤツもいるが,無視するに限る。本当にお金をあげたい,商品を買いたい場合は,ご自由にどうぞ。前の週末に出かけたときは,往復1時間程度の道のりで5〜6人はそういった類の人が訪れた。

 いくら儒教精神がなくなったといっても,日本よりもお年寄りに席を譲る光景は頻繁に見かける。中には席を譲らない若者もいるが,結構遊んでそうに見えるねーちゃんとかが席を譲るのは,日本人にとっては慣れない光景だ。ロシアの様に,男性が女性に席を譲ったりすることはあまりない。恋人どうしならやるかもしれないが,これはどの国でも一緒だよね。

 便利なカード「共通カード」。

 最後にとても便利なカードを紹介して終わろう。それは「ソウル交通共通カード」だ。これも2年くらい前に始まった,新しいシステムらしい。カードは駅の近くの路上の売店などで買うことができ,値段は11,500ウォン(1,150ウォンは保証金)。いわゆるプリペイドカードで,ソウルの地下鉄・バスに利用できる。市内バス・座席バスの場合は割引も受けられる(と言っても50ウォン程度だが)のでちょっとオトクだ。

 しかし,このカードの一番便利なところは,今,日本でも実用化が実験されている「ICカード」であるという点だ。そのため,財布の中に入れたまま,薄いものならカバンに入れたままで,改札や料金箱のセンサーにかざせばオッケー。日本のプリペイド形式のカードのようにいちいち取り出す必要がないのだ。カードの料金を使いきってしまったら,地下鉄駅の窓口や,「チュンジョンソ(充銭所)」の表示のある売店に頼めばお金を入れられる(数万ウォンまでは大丈夫だ)。不要になったら,市内のハンビット銀行で払い戻しできる。もちろん,地下鉄に乗る場合は,回数切符や定額切符の方がオトクだが,長い期間滞在するならば,この「共通カード」がお奨めだ。