[交通システム 2]

 前回に引き続いて,今回は道路交通であるバスとタクシーについて。

 

 バスの種類。

 日本に較べると,バス路線の数も,バスそのものの本数も非常に多い。市内を縦横無尽と呼んでいいくらいに走り回っている。はっきり言って道路はバスだらけだ……。

 さて,ソウル市内を走っているバスには大きく分けて3種類がある。「市内バス」「マウル(村)バス」「座席バス」である。まず,それぞれについて簡単に紹介しよう。

 市内バス……もっとも一般的な路線バス。路線によるが,運行範囲は広くかなり遠いところまで行くことができる。目的地まで乗り換えなしで行けることも多く,地下鉄よりも便利なことも多い。例えば,ヨンサンは地下鉄で行くと乗り換えが必要なのだが,ソウル大前からバスに乗ると直通で行けるため良く利用している。料金は600ウォン(カードを使うと550ウォン)。

 座席バス……基本的には路線バスと変わらないが,運行距離がより長い気がする。運行車輌に観光バスタイプの車輌を使っているため,座席の数が多いのが特徴(それが名前の由来なのだが)。料金は1,200ウォン。ただし,座れなかったからといって料金が安くなることはない。

 マウルバス……マウルとは韓国語で村の意。運行範囲はとてもせまくて,まさに「村」の中を巡回しているという感じである。使うのは主に地元の人たちだ。僕もナクソンデ駅から寄宿舎まではこれで帰ってくる。料金は300ウォン。今月(2001年5月)末になって,カナク(冠岳)区のマウルバスでも共通カードが使えるようになった。

 この他,高速バスターミナルからは地方都市に向けて高速バスが運行されている。

 バスの利用上の注意。

 市内バスや座席バスには必ず運行系統番号がついているので,それを知っていればまず間違いなく乗れる。バスに表示されている運行案内はハングルのみなので,韓国語が分からないひとは,あらかじめ番号が分かっている場合以外は乗らないほうがいい(というか乗れない)。韓国語だが車内放送はあるので,下りたい停留所のところでブザーをならして下りることになる。本当に目的地に行くのか不安だったら,乗るときに運転手さんに訪ねればいい。韓国人もよく運転手に尋ねている。

 市内バスやの場合も,一応番号がついており,運行案内図もついている。しかし車内放送はないので,自分が下りるべき停留所が近づいてきたらタイミングを見計らってブザーを押して下りなければならない。ほとんど地元の人しか使わないので,別の地域からやってきた韓国人が乗るときは,運転手さんや回りの人に聞きまくっている。韓国人ですらこうなのだから,慣れない日本人が乗りこなすのは難しいといえよう。僕も他の地域のマウルバスにはなかなか乗る勇気がない。

 一般的に運転は荒い。スピードもかなりだすし,急な車線変更などもある。運転手が,隣を走るタクシーとケンカしながら運転していたところを目撃した友人もいる。恐怖を感じるほどではないが,立っている場合は日本以上に注意が必要だ。座ってしまえばそんなに問題はない。

 停留所はもちろんあるが,一つの停留所に多いときは10系統以上のバスが停まるため,乗るときはバスの番号を確認しなければいけない。また,バスが停留所でふんづまりになるときもあり,停留所前に目的のバスが停まるとは限らないので,乗りたいバスが近づいてきたら,どこで停まるか,ドアを開けるかを見計らって,そちらの方向にダッシュする準備をしておく必要がある。

 大きい道路ではバス専用路線が整備されているが,一般に道は混雑しているため,どうしても時間に間に合わなければならない用事で出かけるときは地下鉄の方が無難だ。

 タクシー。

 日本だとタクシーは料金が高くて利用しにくいイメージがあるが,韓国では料金も安いため,学生でも気軽に利用している。そのぶん,サービスは悪く,乗車拒否・相乗り・ボッタクリ(特にソウル以外の人が乗った場合)は日常茶飯事である。

 一応,乗車拒否・相乗り・ボッタクリなどの行為は禁止されているので,警察に通報すれば運転手はつかまるが,あまり通報したという話を聞いたことがない。日記でも書いたが,僕も一度ボッタクられそうになって抗議したところ,運転手に逆ギレされた経験がある。初乗り料金は1,300ウォン(深夜は1,560ウォン)。料金は100ウォン単位(深夜は120ウォン単位)で上がってゆく。シンチョンからソウル大までタクシーで帰ったときは10,000ウォンていどだった。

 モボム(模範)タクシー。

 と,ここまでの話を聞くとタクシーは利用しにくそうに思えてくるが,心配はイラナイ。あまりにもタクシーに関する苦情(特に観光客)が多かったために設定された,主に外国人観光客向けの「モボム(模範)タクシー」というのがある。これまで説明してきたのは「一般タクシー」のことである。

 模範タクシーを見分けるのは簡単だ。特徴としては,屋根についている表示灯が黄色く(ハングルで「モボム」と書いてある),車体も黒塗りに金文字で高級そうな雰囲気だ。料金はかなり割高だが,日本に較べれば安いし,ボッタクリや相乗りを心配することもない。運転手さんのマナーもよく,車そのものも清潔だ。中には日本語で案内してくれる模範タクシーもあるという。ただ,市内の中心部の観光客が多い地域でしか見かけないので,ソウルのはずれでこのタクシーを道で拾うのは大変だろう。

 模範タクシーはあくまで観光客用だ。韓国人は決して模範タクシーには乗らない。

 自転車。

 余談だが,韓国では自転車はほとんど見かけない。空気が汚いし,運転マナーが極悪なので,自転車を使っていたら事故にあうか,気管支の病気になるかどっちかだろう。

 というわけで,韓国の交通システムの雰囲気だけでも伝わったら幸いです。実際にくる人は参考にしてください。